魔法使いの雑曲集

魔法使いの雑曲集

シェフの気まぐれレシピ ~最高の食材を、最愛のあなたに~

 お嬢様のワガママは、いつだって唐突だ。    「お雑煮を食べたいわ」     元旦。  ビッグ4首領の養女・高遠風音のつぶやきで、幹部たちの仕事始めは決定した。     李は顎に手を当てて頷いた...
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もちもちのおもちをおもち? ~もちを訪ねて三千里~

    ピコン。  静かなロッカールームに響く着信音。画面をスライドさせると、今年できた帰国子女の友人のメッセージが飛び込んできた。 『おもち、なくなった。ほたるにたべさせたかったのに』  ふーん。少し考えて返信す...
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空飛ぶゾウと絵描きと私

    これは子どもの夢だ。 本気で見ていた夢だ。      空飛ぶゾウと絵描きと私    私には他人の記憶が視える。 なぜかは知らない。ここに来てすぐ、金髪の女性から(やたらテンション高く)説明は受けたが、...
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雨降り止まねど他生の縁

    ……雨か。 ふと窓の外に意識をやれば、予報より早く降り出した雨が曇りガラスを叩いていたが、大して気にせず書類に視線を戻す。捜査の合間を縫って訪れたのは過去の捜査資料の保管室。その中には、美雪個人がどうしても解決せねばならない...
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お口直しにレモン・ソルベを

   「見慣れませんね」 思わずこぼしていたそれは、今夜限りのパートナーへ贈るには少々、否、かなり礼を失した台詞であった。数秒考えてから言い直す。「似合いません」 ……むしろ悪化した気がした。       『お口直しにレ...
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魔王陛下の食卓の音楽

    室町友恵は、今月の健康診断結果からある一名のデータを取り出し、それを確認して、はぁ、と深いため息をついた。「これは、なんとかしなければならないわねぇ……」       ❃ ❃ ❃ ❃ ❃ ❃ ❃ ❃    ...
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1月3日 箱舟の子どもたちの初詣

 神などいない、というのが、”魔王陛下” の持論だった。 わけも分からぬまま理不尽に100年間もの迫害と放浪を押し付けられたことを斟酌すればその結論に至るのも道理であろう、と聖は考える。一応はクリスチャンの身であるものの、聖だってまさか神...
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1月2日 高遠風音の初夢

    他人の視界を覗き見る。 そんな気味の悪い異能を持て余していた。 だって、八歳の女の子にそんなもの、必要なかったのだから。精々で隠れ鬼では負け知らずになったくらいで、それも同級生達から余りにつまらないと言われて誘われなくなって...
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1月1日 佐倉亨のお年玉

 SLWにも冬休みはある。もちろんそこは特殊警察組織、正規隊員となれば自由に休めるわけではないが、ジュニア隊員のうちは一般的な高校生らしく帰省する者が大半で、クラスメイトの山本や村上、それに美鈴も姉・美雪と休みが重なった年始の...
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魔法使いによる四重奏

    仮にどんな出会い方をしたとしても、決して分かり合えないであろう奴というのは、哀しいことに恐らく、誰にでもいる。  育った環境が違う別の個体なのだから致し方ない。少し歩み寄ってみて、ああ、此奴とは分かり合えない、そう感じ...
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