木偶人形の茶番劇

木偶人形の茶番劇

エピローグ 茶番

   ……かわいそう。 これまでの十五年で積み上げてきたものを、残虐な魔王の指の一振りで、砂のお城が波にさらわれるようにあっけなく失うなんて。 高遠風音は、亨の意識を追いながら、他人事にしては妙な緊迫感をもって、けれどやはり他人事な...
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第13話 愛

   ほたると別れたあと、寮の部屋に戻った亨は夕食もそこそこに部屋にこもり、千里眼を開いた。 対象はもちろん桜。その意識を追いかけようとするが、距離が離れているためか、なにかに阻まれているのか、意識を辿ることができない。「……ていう...
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第12話 裏切者

   「……行っちゃったね」『まあ長居は無用だもんね』 十兵衛は亨たちを非常口まで送り届けた後、置いてきてしまった理仁を気にしてか、挨拶もそこそこに飛び去った。 それを見送った亨と、俯いたままのほたるが残る非常階段。沈黙の妖精ですら...
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第11話 能美廣光

    人でなし、と言われた。 忘れそうになっていた、かつての苦悩。やはり自分は人ではないのかもしれない。そんな苦しみを、いつしか気にも留めなくなっていた。忘れてはならない罪の意識が薄れていたのだろうか。 四条理仁は、籍上の名を能美...
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第10話 魔法の人形

    贈り主の願いを、相手に届けるキューピッド。 手にした相手はどんな願いでも叶えてくれる。 明日、告白してほしい、とか。 雨の日に、ぎゅっと手を握っていてほしい、とか。 もちろん、今夜は身体中に触れてほしい、とかもアリ。 ね? ...
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第9話 反逆

    春の初めにハイスクールへ転入して、早半年。 季節は秋。一ヶ月後には文化祭が開催される、そんな時期。 SLWハイスクールにも文化祭というものはある、らしい。村上によれば、エレメンタリーからハイスクールまでの計12学年総出で開催...
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第8話 出立前夜

    妙なテンションの聖と興奮気味のアンジュの説明を要約するに、「個人的に進めていたSLWネットワークへの侵入が成功した」ということらしい。万能の天才と電脳精霊がタッグを組んだ犯罪史に残るファイアーウォール突破劇の恐ろしさを十兵衛...
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第7話 非凡の蛇

   二十年の人生のうち十年以上を共に過ごした義妹は、たとえ何処へ行こうと聖にとって大切な家族であり仲間であり友人であり、そんな彼女に頼って貰えたなら多少の無茶くらい請け負う心積りはあったのだ。だというのに、箱舟に残ると言い出した桜...
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第6話 嫉妬

    暦の上では秋とはいえ、真昼の厳しい日差しは年頃の少女たちにとって大敵であり。 紫外線を避けて選んだベンチは、本来は三人の憩いの場だった。 ……数日前まで、は。「ほんっとに信じられないんだけど!」 ベンチにふんぞり返りながら、...
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第5話 レディ・ハートという女

 四条理仁がSLWへ収監された。当面の間、拘束される場所は日本支部内の研究施設の一室というし、小間使いも付いているというからまるで客人の扱いだ。しかし今後はSLWの厳重な監視下に置かれ、施設間の移送を除き外界に出ることはない取り決めである...
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